Xilinx RFSoC 評価ボードを深堀り(3)-ZCU216開封の儀!

 

こんにちはドルフィンシステムの笹生です。
待ちに待った念願の RFSoC 評価ボード ZCU216 が遂に手元に届きました!
予定よりも早めの到着で、手配してくださった商社の方には感謝です!有難うございました!

さて、今回はそんな評価ボードの開封の儀!ということで、どんな内容物なの?どんな資料を最初に見ればいいの?サンプルをどう動かすの?といったことを実際の写真を交えてお伝えできればと思います!

ZCU216 が届いた!

先日、念願の ZCU216 が届きました!

後ろの大き目の段ボール(結構大きい!)で到着です。中に手前の段ボールが入っています。

手前の段ボールの中に、評価ボードの化粧箱が入っています。

化粧箱の大きさは 50cm x 30cm 程度です。 これまで弊社で購入させていただいた評価ボードの中では大きい部類に入りますね。

化粧箱のなかは2段になっていて、上に評価ボード、下にアクセサリ類の箱があります。(写真だと右手前が評価ボード、右奥がアクセサリーの箱です。ちなみに左奥は化粧箱、左手前は内容物一覧です。)

アクセサリの箱の中身を出して並べました。今回はたくさんのアクセサリが入っています!

参考)https://japan.xilinx.com/products/boards-and-kits/zcu216.html#whatsInside

どこから手を付けたらいい?資料は?

さてどこから手を付けるべきか、まずはXilinx dの公式 ZCU216 のページにある「資料」のタブを見てみます。

参考)https://japan.xilinx.com/products/boards-and-kits/zcu216.html#documentation

それなりに資料はありますね。

めちゃくちゃ多くはないですが、最初は正直どこから見たらいいのかわからず、User Manual なども片っ端から読める範囲で斜め読みしてみました。

タイトル的に一番最初に読んだほうがよさそうなのは "XTP587 - ZCU216 Software Install and Board Setup Tutorial(v1.0) " なのかと思いましたが。。。

確かにボードについてのセットアップ、ドライバのインストールについて書いてあるのですが、この資料だけで何ができるわけでもなさそうです。

結局「ツールおよびIP」のタブの下のほうにある「その他のツール、IP、リソース」の "Quick + start 入門ガイド" に wiki のページがあり、それが一通りサンプルまで説明してあるものでした。

●ZCU216 「ツールおよびIP」のタブ

https://japan.xilinx.com/products/boards-and-kits/zcu216.html#toolsip

●「RF DC Evaluation Tool for ZCU216 board - Quick start」

https://xilinx-wiki.atlassian.net/wiki/spaces/A/pages/246153525/RF%2BDC%2BEvaluation%2BTool%2Bfor%2BZCU216%2Bboard%2B-%2BQuick%2Bstart

ここを見れば最初のとっかかりが出来そうです!

Wikiのページを参考にハードウェアをセットアップ!

Wiki に書かれていることを参考にして、まずは以下の準備をしました。

・RF評価ツールのダウンロード

・付属の SD カードにイメージをコピー

・アドオンカードの取り付け

・HC2-to-SMA ケーブルの取り付けと接続

・イーサネットの接続

・DIPスイッチの設定確認

・電源の接続


●RF評価ツールのダウンロード

これは、ZCU216 公式ページの「ツールおよびIP」のタブの下のほうにある「その他のツール、IP、リソース」の "Quick + start 入門ガイド" の下の「RF評価ツール」です

https://japan.xilinx.com/products/boards-and-kits/zcu216.html#toolsip

リンク先は、RFSoC 公式ページの「リファレンス」タブでした。

https://japan.xilinx.com/products/silicon-devices/soc/rfsoc.html#resources

ここにはまた以下の 4種類のツールが置いてあります。

・RF データ コンバーター評価ツール(Wiki で使うものはこれ)

・RF アナライザ

・RFSoC Frequency Planning ツール

・PYNQ を使用した Zynq UltraScale+ RFSoC デモ


私が今使用している Vivado のバージョンに合わせて、"RF データ コンバーター評価ツール" の Vivado 2020.2 用 "EvalTool_2020.2.zip" をダウンロードします。

サイズは 2.7GB とそれなりに大きいです。

ダウンロード出来たら、解凍してインストールします。

インストール先はデフォルトでは Xilinx フォルダになるようです。

"C:\Xilinx\RF_DC_Evaluation_UI" にインストールします。


●付属の SD カードにイメージをコピー

付属の SD カード(Micro SD) にブートイメージをコピーします。

ブートイメージは、先ほどインストールした"C:\Xilinx\RF_DC_Evaluation_UI"の下のフォルダの "image" の "216" にあります。

ただし、この内容をそのままコピーするのではあまり具合が宜しくないようで、以下のページを参考に IP アドレスの設定をすると良いでしょう。

ここではホスト側の評価ツールソフトの参照する構成ファイルの IP と、SDのイメージファイル内の起動時に実行されるシェルスクリプトの IP アドレスを設定します。

設定も終わり、SDにイメージをコピーしたら、ZCU216 ボードの SDスロットに挿入します。Ethernet のコネクタの横なので分かりやすいと思います。

●アドオンカードの取り付け

ZCU 216 にはアドオンカードが 3つ同梱されています。

https://xilinx-wiki.atlassian.net/wiki/spaces/A/pages/769228974/XM650%2BXM655%2Band%2BCLK104%2BAdd-On%2BCards%2BHardware%2BDescription

アドオンカード機能
CLK-104クロックボード
XM650ループバックアドオンカード
XM655ブレイクアウトアドオンカード

CLK-104 クロックボードは ADC、DAC に超低ノイズの広帯域RFクロックソースを提供するボードだそうです。また基準クロックを供給することや、マルチタイル、マルチボード間の同期にも使用できるようです。

XM650 と XM655 は排他利用です。

簡単に言うと、XM650 ループバックアドオンカードは、DAC と ADC 間がボード上の配線で直結しているものです。つまり他と入出力はしないボードです。

XM655 はブレイクアウトボードなので、RF SoC のDAC、ADC を HC2-to-SMA ケーブルで外部とインターフェースすることができます。またバランが別途実装されており、接続すればループバックさせることも可能です。

今回は XM655 で試してみます。


ボードに接続した感じはこんな感じです。


続いて、HC2-to-SMA ケーブルを XM655 ボードに接続します。

XM655 と接続する端子部分はこんな形状です

向きがあるので、取り付けはまちがえないと思います。取り付けたところはこんな感じです。この HC2-to-SMA


Wiki にあるように、バラン部分を使って DAC から ADC 側へループバックさせた接続をしました。

●イーサネットケーブルの接続

付属のイーサネットケーブルで、PC と接続します。

●ブートモード選択用 DIPスイッチの設定

ブートモードを選択できる DIPスイッチの設定を確認し、SDカードからブートするようにします。

●電源の接続

最後に電源をつないで準備完了です。

いよいよ "火入れ" して評価ツールで動作確認してみます!

火入れ~評価ツールで動作確認!

それでは電源を入れてみます!

無事に DONE しました。
とまぁ、とりあえずこれだけなので、インストールした評価ツールを起動します。
正しく接続され、IP アドレスも解決すればこのような画面になります。
[OverView] タブが開き構造が一覧できます。DAC も ADC も 4ch で 1つのタイル (Tile) として構成されているようです。
4Tile あるので全部で DAC, ADC それぞれ 16ch あるということになります。
色々見ていきたいところですが、まずは Wikiの通りに進めます。

●DACから正弦波の出力

DACの Tile0 をダブルクリックすると、DAC Tile 0の詳細タブが開きます。
このタブを見ると、インターポーレーション、ミキサー、直交変調補正(QMC)の ゲイン・位相、逆シンク(フィルタ)があり、DAC 出力をしているようです。(デフォルトすべて未使用なようですが)
DAC0 をクリックすると右側に設定が出ますので [Generation] ボタンを押します。
[DAC Tile 0 - DAC0] のタブが開いて、DAC の出力設定ができます。
デフォルトで [Generate] ボタンを押します。
デフォルト設定では、CF として 200MHz の正弦波を生成するようです。
DAC からは 200MHz の信号が出力されているはずです。

●ADC で波形を確認

続いて、ADC側の設定です。
一番左の最初のタブ [OverView] タブに戻り、ADC Tile0 をダブルクリックします。
新しく ADC Tille 0 のタブが開きます。ADC0をクリックします。
設定が右側にでるので、[Acquisition] ボタンを押します。


すると、新しく[ADC Tile0 -ADC0] のタブが開くので、右下の Loop にチェックを入れて [Acquire] を押します。

正しく接続されていれば DAC の出力の波形を確認することができます。
FFT の窓が Rectangle でかかっていないので、Hanning 窓にしてみます。


スペクトルがきれいに見えるようになりました。

●その他

Wiki ではこの後 Clocking の設定などをしますが、今回の記事ではここまでとします。

まとめ

今回RFSoC の評価ボードとしては現時点で最新の評価ボード ZCU 216の開封の儀をお送りしました。
深堀りって言っている割に全然深堀りになっていない!と言われてしまうと確かにまだまだ浅堀りですが(笑)
色々いじれるパラメータが多いので、これから徐々に深堀りしていきたいと思います!
次回は、Vivado を使って ZCU216 で Lチカさせた話をしたいと思います。(いやこれは冗談です。。。多分。。。)


















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