コスパ最強!?Tiny Spectrum Analyzer (tinySA) を使ってみた!

こんにちは、ドルフィンシステムの笹生です。

先日弊社で Tiny Spectrum Analyzer (tinySA)という、現時点でコスパ最強ともいえそうなお手軽スペアナを手に入れたのでまずは 1st インプレッションをお伝えしたいと思います。


Tiny Spectrum Analyzer (tinySA) ってどんな計測器?

簡単に言うと「めっちゃ小さい手のひらスペアナ」です。

本当に小さい!!しかも軽い!!これだけでスペアナってところがすごいですね!

参考まで tinySA の本家の Wiki ページです。

ここを見てもらえば詳細は判ると思いますが、私的にはは以下の4点が特徴(売り)だと思います。

・入力周波数は 0.1MHz~350MHz に対応したスペアナです(240MHz~960MHz の Highモードもありますが低品質らしい)
・充電池が内蔵されていて、スタンドアローンで動作可能です
・手のひらサイズで軽いです
・価格がメチャクチャ安いです

設計などはオランダのエリックさんという方がされていて、アッセンブルを中国でされているようです。
日本ではこちらスイッチサイエンス様から購入できまして、弊社でもここから購入させていただきました。

このスペアナのベースになっているのは、edy555さんが開発した NanoVNA だそうです。
オープンソースの力って偉大ですね!

手に入れた経緯を簡単に説明しますとこんな感じです。
・弊社福島が RF ワールド No.52 の Nano-VNA の記事を見て非常に面白く思い色々調べる
・Nano-VNA とそっくりな、tinySA があることを発見
・実際に購入してみた

こんな流れですが、驚くべきはやはりコスパでしょうか。
このサイズ、性能で 1万円を切る値段でスペアナを購入できてしまうのです。
すごい時代ですね!!

開封の儀




化粧箱はシンプルで、黒地に金のエンボスっぽい印刷で割と高級感があり、そんなに安いとは思えないですね。結構しっかりしている印象です。

中身です。本体も保護の袋に入っていて、付属品もちゃんとしてますね。
ケーブル類などもうまくきちんと収まっていて、好印象です。

以上開封の儀でした。
早速使ってみましょう!こういう最初の瞬間はいつもドキドキしますね!

tinySA First Use

はやる気持ちは抑えて、Wiki にある First Use の解説を参考に行いました。
セルフテストとレベルの校正を最初に行うようです。

電源 ON から使えるまでの時間もかなり短いです。数秒って感じです!!
こういうところも良いですね!

早速手順通り、COFIG->SELF_TEST をしてみました。


テスト自体は途中までポンポン進みましたが、、、あれ、Test 8 で Fail してしましたね。
Passband fail だそうです。

これはまずいのか?よくわからなかったのですが、もう一度実行したら全部 Pass しました。




引き続き LEVEL CAL も行ってみます。
こちらは問題なくできたようです。


計測してみる

最初のセットアップができたので、実際に信号を入れて計測させてみます。
今回用意した SG は National Instruments 社の VST (PXIe-5646R) です。
比較のために、同じく VST の SA 機能を使って tinySA と比較したいと思います。

・LOW モードでの計測
基本的に LOW モードが性能が良いということで、まずは LOWモードで計測してみます。

SG設定 : CF 200MHz, Level -20dBm 出力
これを 6dB ディバイダで VST の SA と tinySA に分配して入力しました。

VST SA でのスペクトル

レベルは -25.76dBm です。これを参考値にして tinySA での計測結果を見てみます。


測定した結果はこのような感じです。
ほぼ同じ値 -26.4dBm を表示していることがわかります。

ちょっと表示関連などをいじってみて、まずは CF、スパンを設定変更してみます。

Water Fall 表示もできてまずはいい感じといえるのではないでしょうか。

・High モードでの計測
さて、High モードの方も見てみようと思います。
High モードのほうは 240MHz ~ 960MHz まで計測できるそうですが、あまり品質が良くないとのことです。実際どうでしょうか。

SG設定 : CF 300MHz, Level -20dBm 出力
これを 6dB ディバイダで VST の SA と tinySA に分配して入力しました。

VST SA でのスペクトル

レベルは -25.84dBm です。これを参考値にして tinySA での計測結果を見てみます。

うーん、綺麗だとは言い難いですね。LOW モードと比較すると制限事項にあるように低品質であることは間違いなさそうです。
入力が過大であるようなので、SG の出力レベルを -40dBm にしてみます。


結構きれいになりました。
でも 左側の文字が赤いのですが、これは校正していないからのようです。
LOW モードでは First Use で一応校正したので文字が緑でした。
High モードも校正すればよいようです。
校正の仕方は動画で解説しているようですが、オランダ語のようなので内容はよく判りませんでしたが見たままを実行してみました。

要は既知の正弦波(今回は300M -45.7dBm) を用意してHigh in にいれ、期待レベルをセットするようです。

FREQ → MIRROR MASKING をクリックするとイメージが小さくなるようです。
さらにCONFIG -> EXPERT CONFIG -> ACTUAL POWER で -45.7dBm を設定しました。


これで HIGH モードでも緑表示になりました。
多少は改善された?ようにも思います。

まとめ

まずは1st インプレッションとしてですが、とにかく小さくて簡単に使える点はすごいです。性能面でも Low モードで低い周波数ならスペアナとして使えるのではないかと思いました。高い周波数の High モードについても、ちょっとした確認程度には使えそうに思えます。
タッチパネルなので指でも操作できますが、タッチペンがあったほうが快適に操作できそうです。
また、メニューを見ると一通りの基礎的な計測機能などもあるようなので、今後試してみたいなと思います。
ものすごく軽量で小さく・安価なので、スペアナの使い方などの教育用などにも最適ではないかと思いました。
今後のバージョンアップも非常に楽しみです!!(サブ6対応して欲しいですね~)




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