Xilinx RFSoC 評価ボードを深堀り(2)

 

こんにちわ、ドルフィンシステムの笹生です。

本日は前回の続き「Xilinx RFSoC 評価ボードを深堀り(2)」ということでスペックについて少しまとめておきたいと思います。

RFSoCのGen (世代)とは

RFSoC のスペックを見るうえで、Gen (世代) という言い方が登場します。

現在 Gen3 が最新の世代で、3世代のデバイスがリリースされていることになります。

さてそれぞれの世代でどこが変わったのか、見ていきたいと思います。


本家 Xilinx のWebページにもそれぞれの世代ごとにリソースが乗っておりますが、すこし比較しずらいです。

https://japan.xilinx.com/products/silicon-devices/soc/rfsoc.html#gen3


またこちらの PDF では世代ごとに比較してあります。

https://japan.xilinx.com/support/documentation/data_sheets/j_ds889-zynq-usp-rfsoc-overview.pdf

ここでは、各機能毎に世代間の比較をしてみました。

RFの各機能比較

●最大RF入力周波数について

第1世代4GHz
第2世代5GHz
第3世代6GHz


●デシメーション・インターポーレーション率

第1世代1x, 2x, 4x, 8x
第2世代1x, 2x, 4x, 8x
第3世代1x, 2x, 3x, 4x, 5x, 6x, 8x, 10x, 12x, 16x, 20x, 24x, 40x


●ADCについて

第1世代12bit RF-ADC, 8ch, 最大 4.096GSPS (ZU29DRは 16ch 2.058GSPS)
第2世代12bit RF-ADC, 16ch, 最大 2.220GSPS
第3世代14bit RF-ADC, 2,4,8,16ch, 2.5G,5.0GSPS (デバイスによる)


●DACについて

第1世代14bit RF-ADC, 8ch, 最大 6.554GSPS (ZU29DRは 16ch 6.554GSPS)
第2世代14bit RF-ADC, 16ch, 最大 6.554GSPS
第3世代14bit RF-ADC, 4,8,12, 16ch, 9.85GSPS (デバイスによる)


●SD-FEC

第1世代デバイスによって搭載無しか、8個搭載しているものもある
第2世代搭載無し
第3世代デバイスによって搭載無しか、8個搭載しているものもある


個人的な感想だと Gen2 はあまり進化した感じがしませんね。

Gen3 は Gen1 に比較して色々と進化していると思います。


MPSoC部分の世代間比較


●PL (Programable Logic =FPGA部分)
世代第1世代第2世代第3世代
システムロジックセル (K)678 or 930930489 or 930
DSPスライス3145 or 427242721872 or 4272
メモリ(Mb)41.3 or 60.560.567.8 or 60.5
33G GTY トランシーバー8 or 16168 or 16
PCIe Gen3x161 or 22-
PCIe Gen3x16/Gen4 x8/CCIX--0 or 2
100G Ethernet MAC1 or 220 or 2

●PS (Processing System) について

世代第1世代・第2世代第3世代
APU (Arm Cortex-A53 MP Core)1.33GHz Quad同じ
RPU (Arm Cortex-R5 MP Core)533MHz Dual533MHz Dual (Cortex-R5F)
倍精度浮動小数点演算ブロックありのもの
エンベデッド/外付けメモリ256K on Chip(w/ECC)
DDR4, DDR3,
DDR3L, LPDDR4,
LPDDR3,
Quad SPI, NAND,
eMMC
同じ
高速コネクティビティ4 PS-GTR, PCIe Gen1/2,
SATA 3.1, Displayport 1.2a
USB3.0, SGMII
同じ
一般的なコネクティビティ214 PS I/O, UART, CAN,
USB 2.0, I2C, SPI, 32b GPIO
リアルタイムクロック
ウォッチドッグタイマー
トリプルタイマーカウンター
同じ

MPSoC 部分は Gen1,2,3 ともそれほど差はないようです。

強いていうなら Gen3 の RPU が浮動小数点サポートになったのはインパクトありそうですね。


まとめ

世代間の差をそれぞれの機能毎に比較してみました。
こうしてみると、MPSoC 部分はそれほどの差はないですが、RF部分で Gen3 はなかなかいいように思います。
次の Gen4 ではどんな進化をするか楽しみです。(それほど遠くない将来登場しそうですよね)

次回は開発リソースについてまとめようと思います。

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