皆さんこんにちは、ドルフィンシステムの笹生です。
ここのところ全国の広い範囲で気温がかなり高くなっていますね。熱中症には気をつけたいと思います。
さて、今回は前回に続き無線機内部での信号の回り込みについてです。
前回はこちら
今回は
② 受信信号の送信側への回り込み
について確認をしたいと思います。
確認方法は以下のようにしました。
・SG で -10dBm の信号を出力し USRP の受信ポートに接続
・USRPの送信ポートをスペアナに接続し回りこみを計測
結果としてはこのようになりました。
USRPタイプ |
回り込み量 |
USRP-2922 |
-65dBm |
USRP-2943 |
-70dBm |
USRP-2954 |
-65dBm |
回り込み量としてこのレベルが良いかどうかの判断はアプリケーションにもよると思いますので、ここで言及はしないでおきます。
USRP-2922 の回り込み
http://www.ni.com/ja-jp/support/model.usrp-2922.html
受信ポートには SG からの出力を接続し、USRP を動作させ受信状態にします。また、USRP の送信も出力はしている状態にしてスペアナに接続します。
本来きちんと送信と受信の間のアイソレーションが取れていれば何も送信しないはずですが、回り込んでいれば信号が送信側に回り込んでスペクトラムに表れます。
USRP-2922 では -65dBm 程度で回り込みが観測されました。
受信信号は -10dBm程度ですから、回り込んでいるとはいえ 55dB は下がっています。
USRP-2943の回り込み
http://www.ni.com/ja-jp/support/model.usrp-2943.html
受信ポートには SG からの出力を接続し、USRP を動作させ受信状態にします。また、USRP の送信も出力はしている状態にしてスペアナに接続します。
送信 2 ポートと受信 2 ポートありますが、計測には近いほうの送受信ポートを使用しました。
本来きちんと送信と受信の間のアイソレーションが取れていれば何も送信しないはずですが、回り込んでいれば信号が送信側に回り込んでスペクトラムに表れます。
USRP-2943 では -70dBm 程度で回り込みが観測されました。
受信信号は -10dBm程度ですから、回り込んでいるとはいえ 60dB は下がっています。
USRP-2954 の回り込み
http://www.ni.com/ja-jp/support/model.usrp-2954.html
先ほどの USRP-2943 と同じ方法で計測してみました。
USRP-2954 では -65dBm 程度で回り込みが観測されました。
受信信号は -10dBm程度ですから、回り込んでいるとはいえ 55dB は下がっています。
まとめ
USRP では受信した信号が送信側へ回り込んでしまうことがありますが、55dB以上小さくなっていました。
これを大きいと見るか、小さいと見るかはやはりアプリケーションにもよると思います。
前回は自分の送信信号の受信側への回り込み、今回は受信信号の送信側への回り込みについて計測しました。
FDD のように送受信が違う周波数であれば問題にならないと思います。同じ周波数を使う TDD のようなものでも、通常は上り下りでタイムスロットが異なったり、ガードタイムが設定されたりするので問題は回避できるレベルなのではないかと思います。
ドルフィンシステムではこのような情報も収集しつつ、お客様のアプリケーション実現に最適な SDR システムのご提案をしております。
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