こんにちは、ドルフィンシステムの笹生です。
本日は USRP の最大入力レベルについてです。
「フロントパネルでは -15dBm max の表記となっているが、NI の仕様書には 0dBm max までとなっている。どちらが正しいのか?」
あるお客様からこのようなご指摘をいただきました。
実際、弊社所有の USRP のフロントパネルをみると全て 「-15dBm max」という表示になっています。普段からフロントパネルを見ていたのですっかり USRP シリーズの最大入力レベルは -15dBm だろうと思っていました。
ところが、NI のサイトからダウンロードできる USRP の仕様書の方はというと、USRP-2922 の仕様書には、受信側の最大入力レベルは 0dB max と書かれていました。
確かにこれではどちらが正しいのかわからないので、実際にSGから信号 (CW) を -15dBm, -5dBm, 0dBm のレベルで出力し、USRP 実機で受信させ確認してみました。(USRP の Rx Gain 設定は 0dB)
ちなみに、今回調査に使用した USRP のうち仕様書に 0dBm max となっているのは 2922、他の USRP は仕様書でも -15dBm max となっていました。
USRP の最大入力レベルは結局どこまで可能か?
USRP |
フロントパネル表示 |
仕様書での記述 |
SG -15dBm |
SG -5dBm |
SG 0dBm |
2922 |
-15dBm max |
0dBm max |
OK |
OK |
オーバーフロー |
2943 |
-15dBm max |
-15dBm |
OK |
OK |
OK |
2954 |
-15dBm max |
-15dBm |
OK |
OK |
オーバーフロー |
弊社にある USRP で試したなかでの結論ですが、少なくとも -5dBm 程度までは信号を入力できました。日本 NI の技術の方にも確認していただいておりますが、同じように-5dBm の信号は問題なく入力できるという報告をいただいております。
0 dBm を入力した際にはサチってしまいましたが入力自体はできますので、仕様書での 0dBm max は正しいと思います。
なぜフロントパネルの表示や多くの仕様書で -15dBm までという表示になっているのかは結局謎のままですが、ドーターボードを載せ替えることができたりするので安全マージンを見ているのではないかと想像します。
以下は USRP-2922 の実際の計測です。
USRP-2922 SG 出力-15dBm
USRP-2922 SG 出力 -5dBm
USRP-2922 SG 出力0dBm:オーバーフローしています。
まとめ
USRP のフロントパネル表示は最大入力レベルは -15dBm となっていますが、実際には -5dBm 程度の信号は入力しても故障しませんし、データとしても問題ないことがわかりました。
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