こんにちはドルフィンシステムの笹生です。
本日は「USRP-2945/2955 と PC の相性問題?」という内容で記事を書かせていただきました。
結論から言うと、位相コヒーレントで4チャネル受信できる USRP-2945/2955と特定のPC の組み合わせによって、LO Shared 設定をすると LO のロックがタイムアウトしてしまうという問題が発生いたしました。(この設定をしなければ動作します。この設定だけがエラーするというまれな現象です。)
色々調べてみたり、NI の技術の方にも聞いてみたのですが、あまりこの現象は報告されておらず、共有させて頂こうと思った次第です。
もちろん多くの PC では正常に動作すると思いますが、お客様がお使いだった PC、弊社の一部 PC ではこの問題が発生しました。
USRP-2945/2955 は位相コヒーレントは 4ch 受信専用 USRP
まず、USRP-2955 についてご説明いたします。(USRP-2945 は GPSDOなし以外同じスペック)
https://www.ni.com/ja-jp/shop/model/usrp-2955.html
この USRP は 4ch RF受信ができる受信専用の USRP で、NI の概要説明では以下の様な説明がされています。
10 MHz
~ 6 GHz、 80 MHz 帯域 幅、 GPS 基準 OCXO 搭載、 USRP ソフトウェア 無線 再 構成 可能 デバイス
太字の部分にあるように、局部発信機(LO)を共有する(Shared)ので位相コヒーレント動作(位相同期した動作)ができるのが売りの USRP です。
Ettus の USRP X310 + TwinRX も USRP-2945/2955 と同じスペックになります。
特定のPCだと LO Shared で LO タイムアウトする
今回問題となったのが、特定の PC で USRP-2945/2955 を制御しようとしたとき、この局部発信機(LO)を共有する(Shared)設定である LO Shared 設定がタイムアウトエラーを起こすという現象です。
以下 USRP-2945/2955 の IDL サンプルプログラム 「NI-USRP Simple Streaming with USRP-2945/2955」の設定画面です。
この設定画面のうち、CH0,CH1 の部分の [LO Configuration] を "Shared" に設定するとタイムアウトエラーがでてしまう PC との組み合わせがあるようです。
弊社で確認をしたところ、
① PXI システム (Windows10) では問題なし
② デスクトップ PC (Windows11) では問題なし
③ MS-01 (Windows11) というミニPC ではタイムアウト
④ Lenovo Think Station P3 Ultra (Windows11) というミニPC ではタイムアウト
という結果になりました。
ただし、Ch0/1 を LO independent (LO共有しない)にするとタイムアウトせずに Ch2/3 は LO Shared で動作します。
これは③、④どちらもです。
LabVIEW のバージョンも 2024, 2022 でも起きるようです。NI USRP のドライバも変えても同じでした。
それほど多くの PC で試していないので、何が原因で起きているのかは特定できておりません。
まとめ
USRP-2945/2955 自体が USRP の中でも 4ch 受信のみという特殊な USRP なのでこうした事象の報告は少ないのかもしれません。
USRP-2955 のハード的な問題ではないとは思いますが、原因が特定できていないので、まれにお使いの PC でも起きてしまう可能性はあると思います。
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