ドルフィンシステム開発事例 (5) 2012年 : 一般的なスピーカとマイクを使った可聴域外での通信方式の試作

 こんにちはドルフィンシステムの笹生です。


今回は「ドルフィンシステム開発事例 (5) 2012年 : 一般的なスピーカとマイクを使った音声帯域での通信方式の試作」についてご紹介させていただけたらと思います。

こちらは元々お客様の方でサービスを展開する予定のサウンドコード(音のQRコード)の試作になります。お客様の方でも既に基礎的なところは研究や調査をしていましたが、信号処理部のさらなる改良をしたいということで弊社に依頼が参りました。

電波を使った無線では飛ばすための条件が色々とありますが、可聴域外での無線通信ではスピーカとマイクがあれば基本的には可能です。

しかし一般的なマイクとスピーカを使うという点で実際にはこれがなかなか難しいものでした。。。

(ちなみにトップの画像は AI (DALL-E3) が生成した「一般的なスピーカとマイクを使った通信方式」のイメージだそうです。なんかすさまじいですね。)

見積り時に LabVIEW でたたき台を作成した好事例

弊社では頂いたお仕事の内容に応じて、見積もりの段階からフィージビリティスタディ的に動くモックアップのようなたたき台を作ってしまうことも良くあります。

この開発事例は目的が割と明確で、弊社にあるスピーカとマイクでとりあえず音声の送受信のシステムがちゃちゃっと作れそうだったので、たたき台を LabVIEW で作成してお客様に見せたところかなり評判が良かったです。

まさに LabVIEW が Rapid prototyping に強いという特性を生かせたプロジェクトでした。

一般的なマイクとスピーカを使う通信は難しい

とはいえ、実際の開発は結構難しいものでした。
音声の伝搬による影響そのものもありますが、一般的なスピーカとマイクを使うという点に尽きると思います。

お客様の方で想定するユースケースとして、テレビやラジオのスピーカから URL を可聴域の外の帯域で送信し、スマホのマイクで拾って該当 URL に飛ぶというものがありました。

通常、私達がスピーカを使う場合には当然に音声を人間が聞くために使用します。
例えばテレビのスピーカの場合、音声の設定などで色々と周波数特性含め調整することができてしまいます。そうした調整がどのようにされているかは信号ソース側からは分からないので、そもそも送信したい信号の帯域部分のレベルが低かったり歪んでしまったりしてしまうのでした。
まぁ本来の目的は音声を聞くことなので音声に使っていない帯域については考慮しないですよね。。。

可聴域よりも高い周波数に中心周波数を持ってきているのですが、実際にずっと聞いていると耳に悪い影響があるので、耳栓は必須でした。

マイクの特性も、iPhone は種類が限られているのでマイクの特性は分かりやすいのですが、アンドロイド端末になるとメーカによっても特性がバラバラ過ぎて動作確認をすることがかなり大変だということも分かりました。

手軽に出来そうでなかなか実現するのが難しいのはこういった事情によるのではないでしょうか。

現在であれば、AI に音声 URL を聞かせてブラウザで開かせることは簡単にできそうですね。(URL ですらなくても良いと思いますが。。。)





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