USRP X410 を文鎮化させてしまいました(その1)

こんにちはドルフィンシステムの笹生です。

本日は弊社で先日購入した USRP X410 を文鎮化させてしまった お話です。

普通そんなことはならないと思いますが、余計なことをしたために文鎮化⇒修理となってしまいましたので反省を込めて書きたいと思います。

文鎮化とは?

僕らの年代であれば「文鎮化」という言葉をご存じの方は多いと思いますが念のため Wikipedia からの説明を引用をさせていただきます。

「電子機器分野における文鎮(ぶんちん)は、スマートフォンやタブレットなどのデジタル機器において、動作・応答せず、修復も難しい状態を表す日本語の俗語。この状態になることを文鎮化(ぶんちんか)という。英語ではbrick(煉瓦)といい、動詞としても使われる。日本語と同じようにpaperweight(文鎮)とも呼ばれる。」

文鎮 (電子機器) Wikipedia

つまり使い物にならなくなってしまった、というわけです。

どうやって文鎮化してしまったのか?

USRP X410 を LabVIEW から使えるようにするための手順に沿って実行していて、よせばいいのに余計なことをしてしまったのが原因でした。

Ettus Research 社の Web ページの解説にある以下のファイルシステムの更新についての説明と同様のことを実行していました。

https://files.ettus.com/manual/page_usrp_x4xx.html#x4xx_updating_filesystems

これをすることで、"NI-USRP Configuration Utility" で正しく認識されて LabVIEW用のイメージファイルが書き込めるようになるはずでした。


この画面で、本来きちんと X410 としてデバイスが認識されるはずなのですが、認識されませんでした。

① この時最新の UHD 4.5 mender のファイルを試す

https://files.ettus.com/binaries/cache/x4xx/meta-ettus-v4.5.0.0/

・x4xx_common_mender_default-v4.5.0.0.zip

mender を使っての ファイルシステム更新や CPLD のアップデートを UHD 4.5 ベースでやったのですが、"NI-USRP Configuration Utility" で自動的に選択されるのが、usrp 292x 関連の firmware と bitfile になってしまって、X410 のビットファイルが選択されませんでした。

② UHD 4.1.0.7 mender のファイルを試す

認識されないのは UHD 4.5 が悪いと思い、mender で UHD 4.1.0.7 を使って再度ファイルシステム更新や CPLD のアップデートを試みました。
ただ、CPLD のアップデートは既に update済みという警告が出て更新されませんでした。エラーは出ませんでした。

相変わらず "NI-USRP configuration utility" の表示はおかしいままでした。

③ CPLD の更新を手動でして失敗

CPLD が更新されないのが原因で、"NI-USRP configuration utility" の表示がおかしいのではないかと思い、CPLD のアップデート(具体的には x4xx_update_cpld というパイソンのコマンド) で選択されるファイル cpld-x410-10m08.rpd ではなく、同じフォルダにあるcpld-x410-10m04.rpd を書き込むようにしたところ、書き込めないというエラーになるので、--force をつけて書き込んでしまいました。

すると、書き込みは成功したのですが、再起動してたところ、その後 CPLD の書き込みが一切できなくなりました。。。
相変わらず"NI-USRP configuration utility" の表示はおかしいままでしたし、USRP のサンプルプログラムでも、NI MAX でも認識されない状態になってしまいました。
→つまり文鎮化してしまいました。


具体的には赤枠の部分の CPLD の書き換えを失敗してしまったので文鎮化しました。
この CPLD は SPI 経由で DIOボードや Clock ボード、 FPGA などを制御しているようで、ここが動かなくなったためにSDR 機器としての機能が全く動かなくなってしまったというわけです。

色々と回路図を調べたりどうやったら回復できるかを考えたり、CPLD 書き込みのパイソンスクリプトを眺めてみたりとできる範囲で対処しようと思ったのですが、もっと傷を深くしてはいけないと思い、NI の技術の方にも相談して、潔く NI のサポートに連絡をすることにしました。

大変ご迷惑おかけしてしまいました。。。

まとめ

なまじ無理やり CPLD を書き換えてしまおうと思ってしまったのが浅はかでした。。。
こうなってしまったら自分ではどうすることもできません。

次回は、「USRP X410 が文鎮化して(させて)しまいました(その2)」としてNI のサポートへの修理の依頼とその後について説明できればと思っています。


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