USRP の GPIO から 16ch RF スイッチを "時間確定的" に切り替える (前編)

 こんにちはドルフィンシステムの笹生です。

今日から2回にわたって「USRP-2954 の GPIO から 16ch RF スイッチを "時間確定的" に切り替える」ということを解説していきたいと思います。

使用イメージとしては、信号のフレーム時間に同期してアンテナを切り替えて送信 or 受信を行うようなすごくシビアなタイミングで切り替えたい場合に、スイッチの切り替えを FPGA から時間確定的に行いたい用途を想定します。

今日はその前編ということで、16ch RFスイッチをどのように USRP の GPIO から制御するかという方法や方針などを解説したいと思います。

また次回はそのためのケーブルの自作についてや FPGA からの制御について紹介したいと思います。


USRP-2954 (X310同等) の GPIO について

今回使用する USRP は弊社所有で GPIO が付いた NI USRP-2954 を使用してみました。

Ettus Research 社の USRP X310 と同等ですが、制御に NI LabVIEW FPGA を使う予定なので、今回の記事では以下の USRP と LabVIEW に対応しています。

・NI 294x シリーズ

・NI 295x シリーズ

(Ettus製USRPのFPGA でかっちり時間確定的に制御するとなるとハードル高くなりそうですが。。。UHDでFPGA開発するのは大変なんですよね。。。NI USRPはLabVIEW FPGAで開発できるので楽です)


制御したい 16ch RF スイッチ

今回のターゲットの 16ch RF スイッチは Mini-Circuits 社の 「USB-1SP16T-83H」という型番の製品にします。



ソリッドステートスイッチで、1MHz ~ 8GHz までに対応し、50Ω終端でSMAケーブルに対応した 1対16 のスイッチになります。

USB で PC から制御できますし、ドライバもあるのでソフトウェアベースで制御ができます。

また Dsub-9ピンのインターフェースを持ち外部から制御も可能です。

スイッチングの時間は Typ. 250us だそうですので、それなりに早い切り替えが期待できます。

Mini-Circuits 社の ソリッドステートスイッチのシリーズで Dsub に対応しているのは現在この製品だけのようです。

方針

通常は USB ケーブルでソフトウェアから制御することが可能ですが、今回は時間確定的にこの 16ch RF スイッチを切り替えてみたいので、スイッチの Dsub-9ピンと USRP の GPIO (Dsub-15ピン) を接続し、USRP の FPGA から制御することでリアルタイムにかつ時間確定的に制御することが可能です。

16ch RF スイッチのデータシートを見るとスイッチ側の Dsub-9 ピンは以下の様になっており、D0 ~ D4 を Low/High に制御すればスイッチを切り替えることが出来そうです。




USRP 側の GPIO の資料を見ると Dsub-15ピンは Data[0] ~ Data[11] まであるので、スイッチの D0~D4 に割り当てて接続すれば制御することが出来そうです。(余裕があるのでスイッチ2つ分に対応できます。弊社ではUSRP 1台で 16chスイッチ 2台に対応させています。)



電気的にはスイッチ側は LVTTL で、USRP が LVCMOS ですので問題なく Low/High のスレッショルドの制御はできると思います。


結線図

上記の情報から結線図を書いてみました。


このように結線すれば USRP の FPGA から時間確定的なタイミングで Data[0]~[4] を制御することで 16ch のスイッチを制御することができるようになります。


まとめ

USRP-2954 の GPIO と Mini-Circuits 社のソリッドステート 16ch RF スイッチを接続して制御するための方針と結線図を作成しました。

実際に部材を購入してケーブルを作成し、LabVIEW FPGA 経由で制御するサンプルプログラムを作成しました。

次回はその作成風景や動作確認についてのお話をしたいと思います。


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