NI USRP のサンプルを紐解く (3) ~CWを連続送信する最もシンプルな "niUSRP EX Tx Continuous Async.vi"~

 こんにちはドルフィンシステムの笹生です。

今日も USRPサンプル紹介の続きです。

サンプルの場所や開き方は第一回目 NI USRP のサンプルを紐解く (1) ~"niUSRP EX Rx Continuous Async.vi"~ のブログを見てみてください。


今日は CW 信号を連続送信するサンプルの「niUSRP EX Tx Continuous Async.vi」を紹介します。

CWを連続送信する niUSRP EX Tx Continuous Async.vi

このサンプルを LabVIEW 2020 で開いてみます。

このサンプルは名称からして、「NI USRP で非同期で連続して送信するサンプル」となります。どんな信号を送信できるかというと CW信号(トーン信号)です。

第一回目 NI USRP のサンプルを紐解く (1) ~"niUSRP EX Rx Continuous Async.vi"~ が受信側なのでそれと対になるサンプルです。




フロントパネルとしては、左側が設定関連、中央が設定の確認用表示関連、右側が送信信号の時間波形グラフ表示になります。


名称デフォルト設定値について
Device Name192.168.10.2USRP のデバイス名を入力します。
Ethernet で接続している時はIP で設定します。
USRP-RIO のように PCIe (MXI) ケーブルで
接続しているときは NI MAX で認識しているデバイス名
を入力します。
IQ Rate[S\sec]1Mいわゆるサンプリングレートです。設定可能な
範囲は USRP のハードウェアによります
Carrier Frequency2Gいわゆるキャリア周波数(センター周波数)です。
設定可能な範囲は USRP のハードウェアによります。
Coerced IQ Rate[S/sec]100k実行したときに実際に設定された IQレートが表示されます。
Coerced Carrier Frequency100k
実行したときに実際に設定されたキャリア周波数が表示されます。



 
名称デフォルト設定値について
Active AntennaTX1アンテナと書いてありますが、受信するポートの名称を文字列で
指定します。USRP のハードウェアによって多少ことなりますが、
TX1 などを設定します。コメントに書いてある通り X410 を使う
ときは TX/RX0 という記述をするようです。
Enabled Channel0これも USRP のハードウェアによって 複数チャネルに
対応していることもあります。0, 1 などを設定します。
Gain0ゲインを設定します。dBです。
設定範囲はUSRP のハードウェアによります。
Timeout10sタイムアウトとして指定する秒数を指定します。
Tone Frequency10k送信信号のトーン周波数をHzで指定します。デフォルトは 10kHzです。
Tone Amplitude0.707
送信信号の振幅を指定しますが、1.0 がフルスケールになるようです。
WaveformSize10000送信信号のサイズをサンプル数で指定します。

実行しエラーがなければ右側のグラフに送信信号の IQ 信号の時間波形が表示されます。この波形で STOP が押されるまで指定した送信ポートから繰り返し送信されます。

注意点としてはこのサンプルでは信号レベルについて、所謂一般的な SG のように dBm での指定ではなく、あくまでもデジタル波形の振幅 (1.0未満) とゲインでの設定です。

そのため本当のレベルはスペアナなどで確認をする必要があります。

上記デフォルト設定でUSRP-2954 での送信信号の出力レベルは弊社のスペアナでは -11dBm 程度でした。(ケーブル損失を考えると -10dBm程度でしょうか)


USRP の設定としてはいろんなデバイスに対応していますが、汎用的につくる必要上その設定で各デバイスごとに特性が異なるので致し方ないかなとも思います。(デバイスの種類、RFモジュールの種類を特定して設定から逆算みたいなことも可能ではあると思いますが、、、あくまでも単純なサンプルなので)




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