NI USRP のサンプルを紐解く (1) ~"niUSRP EX Rx Continuous Async.vi"~

こんにちは、ドルフィンシステムの笹生です。

今日から NI USRP のサンプルについて紹介していきたいと思います。

NI USRP をインストールするとサンプル VI もインストールされるのですが、サンプルについての解説があまりないのでこれから少しづつ紹介していこうと思います。

使用している LabVIEW は 2020 で、インストールする NI USRP のバージョンは 21.0.2 です。OS は Windows10 です。

NI USRP のサンプルについて

インストールすると Windows のスタートメニューからサンプルを選ぶことができます。


スタートメニュー → National Instruments → NI-USRP Examples

を選択するとUSRP ドライバのサンプルのフォルダが開きます。

複数の LabVIEW バージョンがインストールされている場合にはそれぞれに対応したサンプルが用意されています。


本記事では LabVIEW 2020 (32-bit) のサンプルを紹介していきます。(基本的には他の LabVIEW バージョンもほとんど同じだと思います)

ショートカットになっているのでクリックして開きます。


小さくてすみませんが、割と多くのサンプルがインストールされております。

このフォルダにある

「niUSRP Ex ****.vi」

はそれぞれサンプルの VI になっており、慣れている方ならファイル名からある程度は推測できると思います。でも初めてだとどれから開けばいいかわかりにくいですよね。

これらは USRP ドライバの使い方に基本的に言おうしています。

さらに下位フォルダとして「ModulationToolkitExamples」があります。

この下位フォルダにあるのは Modulation ツールキットも使った変復調もできるサンプルになります。

このフォルダにあるサンプルも結構有用なのですが、Modulation ツールキットの知識も必要なので少々複雑です。

まずは今日は単純でわかりやすいサンプルとして

「niUSRP EX Rx Continuous Async.vi」を紹介したいと思います。

使用する前に、USRP と PC は接続しておいてください。

niUSRP EX Rx Continuous Async.vi で基本的な設定項目を知る

さてこのサンプルを LabVIEW 2020 で開いてみます。

このサンプルは名称からして、「NI USRP で非同期で連続して受信するサンプル」となります。


フロントパネルとしては、左側が設定関連、中央が設定の確認用表示関連、右側が受信信号のグラフ表示になります。



名称デフォルト設定値について
Device Name192.168.10.2USRP のデバイス名を入力します。
Ethernet で接続している時はIP で設定します。
USRP-RIO のように PCIe (MXI) ケーブルで
接続しているときは NI MAX で認識しているデバイス名
を入力します。
IQ Rate[S\sec]1Mいわゆるサンプリングレートです。設定可能な
範囲は USRP のハードウェアによります
Carrier Frequency2Gいわゆるキャリア周波数(センター周波数)です。
設定可能な範囲は USRP のハードウェアによります。
Coerced IQ Rate[S/sec]100k実行したときに実際に設定された IQレートが表示されます。
Coerced Carrier Frequency100k
実行したときに実際に設定されたキャリア周波数が表示されます。


名称デフォルト設定値について
Active AntennaRX1アンテナと書いてありますが、受信するポートの名称を文字列で
指定します。USRP のハードウェアによって多少ことなりますが、
TX/RX 、RX1 などを設定します。
Enabled Channel0これも USRP のハードウェアによって 複数チャネルに
対応していることもあります。0, 1 などを設定します。
Gain1ゲインを設定します。
設定範囲はUSRP のハードウェアによります。
Number of Samples16384USRP から取得する1回あたりのサンプル数を指定します。
Timeout10sタイムアウトとして指定する秒数を指定します。
Coerced gain実行したときに実際に設定された ゲインが表示されます。
Actual Rx Timestamp実行して受信をしたタイミングでのタイムスタンプを表示します。

実行しエラーがなければ右側のグラフに IQ 信号の時間波形とスペクトラム波形が表示されます。


まずは USRP の受信として基本的な設定項目を学べると思います。
次回は送信側を見てみたいと思います。




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