Xilinx RFSoC 評価ボードを深堀り(1)


こんにちは、ドルフィンシステムの笹生です。

ここ最近は暑かったり涼しかったりもう関東も梅雨の走りだったりと天気の変化に体調を崩しそうですね。皆様もお気をつけください。


さて今回から数回、最近注目しているXilinx の RFSoC シリーズの評価ボードについて、自分の勉強も兼ねて掘り下げてみたいと思います。


弊社が良く使用してきているSDR ハードウェアは私のメールニュースでも頻繁に取り上げている USRP であることは間違いありません。

Xilinx の RFSoC シリーズの評価ボードは評価ボード本来の目的として搭載されているチップである RFSoC の評価のためのボードなのですが、SDRハードとして研究目的での試作として等に利用するのにマッチしていると思っております。

RFSoC 評価ボードとはどんなもの?

Xilinx が提供している RFSoC は簡単に書くと以下のような感じです。


参考 URL

RFのアナログ信号は ADC・DAC でデジタルとの相互変換があり、デジタル化されたらそのあとは PL 部分などでデジタル信号処理で処理ができます。
この図では 8ch分の ADC・DACを書いていますが、現在供給されている RFSoC では 16ch まで対応しています。
またSoC ですので CPU が搭載されていて、OSも動作、各種外部IF回路も実装されています。
評価ボードはこの RFSoCチップを評価できるように一通りの IF を持ったボードなのでボード単体(スタンドアローン)でも動作させることができますし外部との連携も可能です。

RFSoC 評価ボードの想定されるメリットデメリット

実は弊社では RFSoC 評価ボードを注文していますが実際の物は6月以降に手に入る予定ですので、ひとまずWeb上等で公開されている情報から想定するメリット・デメリットを考えてみます。(何に対してのメリット・デメリットかというのは想像にお任せします)


メリット

最大16ch の RF信号が 1チップで処理可能

・SoCなので、余計な外部IF回路を追加で用意しなくてよい

・ミキシングや DUC、DDC は FPGA でできてしまうので、ダイレクトコンバージョンで問題になる IQ不均衡の問題が起き無い


デメリット

・評価ボードなので、筐体がない

・インターフェースに沢山対応しているためボードサイズが大きい


まとめ

今回から数回 Xilinx の RFSoC シリーズの評価ボードについて、自分の勉強も兼ねて掘り下げてみるのですが、IQの不均衡がなくなるだけでもかなりありがたいですね。

ダイレクトコンバージョン方式では、DCオフセット、IQ不均衡を我慢するか、キャリブレーションで軽減させる必要がありますから。

ここは実機で真っ先に確認したいところですね。

多チャンネルに最初から対応しているのもいいですね。意外と SDR ハードウェアで ch を増やすのはハードルが高いので。。。

デメリットはまぁ評価ボード故だと思っているので、ぜひ 日本NIさん、Ettus Research さんにはこの Xilinx RFSoC を使った USRP がリリースされたらかなり強力な SDR ハードウェアになりうると思っております!出していただけませんかね~。


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