弊社福島ブログ「USRPの送信ゲイン設定で出力レベルはどうなる?」の補足

 こんにちはドルフィンシステム笹生です。

今回は福島が書いたブログ(先週のメールニュース)の「USRPの送信ゲイン設定で出力レベルはどうなる?」について少しだけ補足してみたいと思います。

USRP を使っていると常に気になる「相対的な設定項目=ゲイン」と「絶対的な計測値=出力レベル」の関係について整理してくれた記事で私自身も大変に参考になりました。

そこで私のほうで解釈している暗黙の了解というようなことを補足的に紹介しようと思います。あくまでも私がそう解釈しているだけで、Ettus や NI が公式に説明しておりませんのでご容赦ください。


USRPの出力ゲイン・出力パワーとデジタルデータについての解釈~なぜ 振幅 0.7 を使うのか???


やはりいつもこの辺りが分かりにくいというか、誤解をしてしまうというか、ソフトウェア無線の良いところであり、悪いところでしょうか。

結局送信するためのデジタルデータの振幅の大きさ一つで、出力パワーレベルも変わってしまう

と言うことです。
もちろん当たり前なのですが、意外とその関係が分からなかったりします。


「コマンドプロンプトを起動し、以下の様にコマンドを実行すると2GHz 1MS/sでCWがGain 20でRF送信されます。

tx_waveforms.exe --freq 2000e6 --rate 1e6 --ampl 0.7 --wave-type CONST --gain 20」

としていますが、この太字の --ampl 0.7 、デジタルデータの正弦波の振幅に相当する設定なのですが、どうして 0.7 なのでしょうか?
本人に確認したところ良くデフォルトが 0.707 になっているので 0.7 にしたようです。

「フルスケールなら32768~-32768のCWデータが生成され、0.7なら22937~-22937のCWデータが生成されるので30%減の送信レベルになるはずです。

これを確認するために、--ampl 0.7→0.35にしました。すると送信レベルも-6dBmと半分になりました。」

と記述があり、実際に 0.35 で 約-6.02dBmで半分になるのはデジタルデータの振幅をまさに半分にしたからなので、これは確かに正しいです。

私も以下の Ettus のページを見てみたのですが、計測時に具体的にどういった振幅のどういったデジタルデータを使っているかは書いてありません。。。

でも 振幅 0.707 の正弦波にすると計測値が一致する傾向があるようです。

個人的な解釈!振幅 0.707 は 1/√2 を想定している!(のでは?余裕があり電力もキリが良いので)

これは個人的な解釈なので間違っている可能性があります。

まず 1.0 を I と Q のデジタルデータのフルスケールで考えているからだと思います。
つまりデジタルデータで表現する振幅の最大値が 1.0 なわけです。
しかし計測する際に最大値を使ってしまうと、DC オフセットの影響などを考えたときにオーバーフローしたり歪んだりする可能性があります。(全くヘッドルームが無いってことですね)

そうしたときにアナログ的な要因を含めて多少余裕を持たせる意味で、0.707 を使っているのだと思いますが、なんで 0.707 なのか?
恐らくは本当は 0.707... である 1/√2 が本当はいいのではないかと思います。というのも、この振幅で作成した正弦波の電力はピッタリ 1/2 になるのです。

なので個人的な解釈ですが、ヘッドルームも確保でき、電力も 1/2 程度になる0.707 で計測値と一致したんだろうと思っています。



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