フェージングプロファイル関数の使い方 (1)



こんにちは、ドルフィンシステムの笹生です。

本日の記事では、LabVIEW モジュレーションツールキットに含まれているフェージングプロファイルの使い方について取り上げたいと思います。この関数使えればシミュレーションで活躍すると思うのですが、ヘルプ見ても使い方がわかりにくいので解説します。(書いているうちに長くなってしまいましたので、数回に分けてご紹介します。)

今日はフェージングプロファイルの関数概要についての説明です。
次回以降、具体的な使用方法を解説したいと思います。

そもそも LabVIEW モジュレーションツールキットとは?


まず、モジュレーションツールキットはどのようなものかヘルプを見てみますと以下のような記述があります。

「NI LabVIEW Modulation Toolkitには、ナショナルインスツルメンツのハードウェアまたはシミュレーション環境で使用できるアナログおよびデジタル変調信号を生成および分析できるVIが含まれています。 Modulation Toolkitは、ASK、FSK、MSK、PSK、QAM、CPM、PAM、AM、FM、およびPM変調形式をサポートし、IFからI / Qへの変換、I / Qの視覚化、および一般的な信号障害の追加が可能です。」

モジュレーションツールキットは変復調やその分析をする関数が含まれています。また視覚化や障害の関数も含まれており、今回解説するフェージングプロファイルは信号障害 (Signal impairments) に関する関数です。

フェージングプロファイルとは?



こちらもヘルプを見ると以下のように記述されています。

「複素ベースバンド波形のユーザー指定のレイリーまたはライスフェージングプロファイルを生成します。 MT Apply Fading Profile VIを呼び出して、生成されたプロファイルをベースバンドI / Q波形に適用します。 このVIを使用して、GansモデルとJakesモデルを使用してレイリーおよびライスのフェージングプロファイル分布をモデリングし、フラットフェージングチャンネルと時変周波数選択フェージングチャンネルを特徴付けることができます。」

フェージングをどのように生成しているのかわかっている人でないとこの説明では何をするものなのか分からないと思います。

フェージングプロファイルとは、RF の通信を移動しながら行う場合に起きる電波伝搬路の状態を再現するためのプロファイルを指します。

RFの送受信のプログラムを作成した場合、送信・受信間の伝搬路を模擬することも必要です。その際に移動体の伝搬路をシミュレーションできる関数がフェージングプロファイルの関数です。

ここではフェージングや伝搬路の仕組みそのものの解説はしません。手前味噌になってしまいますがフェージングの仕組みなどに興味がある方は RFワールドの No.22 にチャネルエミュレータ(=フェージングシミュレータ)の解説記事がありますのでそちらを参考にしてみてください。

フェージングプロファイル関数の使い方 (概要)


LabVIEW のインストールする際に、モジュレーションツールキットも一緒にインストールすれば使用できます。(勿論後でインストールも可能です。)
フェージングプロファイルの関数があるパレットの場所ですが、

RF Communications -> Modulation -> Digital -> Impairments

の下に以下 2つのフェージングプロファイル関数があります。

MT Generate Fading profiles.vi
MT Apply Fading Profilees.vi




使い方としては、以下のようにGenerate のほうで生成パラメータを作成して、Apply のほうに渡し、実際に RF 信号のベースバンド信号にフェージング適用します。簡単な例では以下の図のような感じです。





どちらの関数も多態性 VI になっていて、使用したいフェージングモデルを選択することになります。(多態性 VI とはいくつかの同様の関数をドロップダウンで選択して切り替えることができるものです)

選択できるモデルは大きなところで
Flat Fading (遅延波なし)
Selective Fading (遅延波あり 周波数選択性フェージング)
2つから選択します。

さらにそれぞれ
Rayleigh (直接波なし)
Rician (直接波あり)
2つから選択でき、さらに生成アルゴリズムのモデルとして

Gans (フィルタモデル)
Jakes (サブパスモデル)
2つのモデルから選択できます。



組み合わせとして合計 8 通りのモデルから選択できることになります。
すべてを紹介していると大変ですので、次回以降以下の 2通りに絞って解説したいと思います。
Flat + Rayleigh + Gans
Selective + Rice+ Jakes

まとめ


なかなか使い方がわかりにくい LabVIEW モジュレーションツールキットのフェージングプロファイルについて解説しました。今回は概要ですが次回から具体的な使い方を含め解説していこうかと思います。



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