ドルフィンシステムの笹生です。
以前、「PXIeシャーシのトリガについて」という記事を書きました。
http://dolphinsasoh.blogspot.com/2018/01/pxie.html
この記事では、トリガを使用する際に設定の注意点などを書きました。
それ以外にも PXIe シャーシにボードを挿して使用する場合には気を付けたほうがよい点があります。
P2P を使用する場合のスロット関係は注意
P2P は CPU に負荷がかからずにボード間でのデータ転送ができるので便利です。
CPUを経由しないので転送レートも高速にできます。
しかし、注意が必要なのです。
P2P を使用する場合で、転送レートが必要でないのであれば、挿すスロット位置は気にしなくてよいでしょう。
しかし、高速に転送する必要がある場合には挿すスロットを離してしまうとうまく転送できないことがあります。
例えば、複数 FPGA ボードを使って信号処理を行う場合、ある FPGA から ある FPGA へデータを転送する必要があります。
実際適当に P2P する FPGA ボードを挿すと、転送がうまくいかないなどの現象が起きたりして混乱をする場合がありました。
P2P高速転送時には同じスイッチのスロットに挿す
PXI シャーシはスロット間は CPU へのデータの転送のためにスイッチが使用されていますが、スロット毎に接続されているスイッチが異なります。
例えば、PXIe-1085のバックプレーンの構造は以下の図のようになっています。
このような構造なので、高速に転送したい場合は同じスイッチを使っているスロットに FPGA ボードを挿入する必要があります。
逆に転送レートはそれほど必要なければ離れていても大丈夫です。
どのくらいの転送レートまでなら OK なのかは P2P の使われ方の状況によって違うと思うのでここでは言及できませんが、基本、同じスイッチのスロットを使うようにすると良いと思います。
また、一度ホスト経由(ソフトウェア経由)でのデータ転送であればスロット位置は気にしなくてよいでしょう。
どのスロットがどのスイッチに接続されているかなどはシャーシの資料を確認してください。
まとめ
大規模な信号処理アプリケーションになってきて、FPGA ボードを複数枚使用して高速に転送を行う P2P をする時には、同じスイッチのスロットに挿入して使用しましょう。
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