LabVIEW のバージョンを下げる時


LabVIEW のバージョンを下げたい

弊社の開発マシンにはいくつかのバージョンの LabVIEW を入れてはあるのですが、お客様の LabVIEW の開発環境のバージョンによっては、バージョンを下げる必要があります。
例えば、元々 LabVIEW 2015 で開発していたものを利用したりして開発するときに、実際にはお客様の方では LabVIEW 2014 でしようするので、バージョンを下げたい場合です。


一番簡単な方法は、プロジェクトの「ファイル」→「旧バージョン用に保存」でプロジェクト全体を旧バージョン用に変換することです。
すると以下の様な旧バージョンの選択ダイアログがでるので、該当するバージョンを選択します。
ここで 14.0 は LabVIEW 2014 のことです。
「保存」を押すと保存先を指定するダイアログが出るので指定します。
少々時間がかかるのですが、成功すれば指定された場所に旧バージョンに変換されたプロジェクトができていると思います。

エラーが出て失敗する場合もある

これは弊社での経験での話になるので、他にもエラーが出る条件はあるのかもしれませんが、USRP-RIO  IDL(サンプルプロジェクト)ベースで作成したものや、FlexRIO でも 5791R といった RFモジュールのサンプルプロジェクトの場合に自動生成は完全にはできない場合があるようです。
弊社で USRP-RIO IDL ベースで作成したプロジェクトを旧バージョンに変換していたのですが途中で以下の様なダイアログがでてきました。

これらのダイアログは、サンプルプロジェクトの FPGA 内で使用されているUSRP特有の関数や信号処理関数(DSP数)を変換しようとするときに使用しているライブラリで出るようです。パスワードで保護されているのですが、もちろん開発者用のパスワードは知らないのでスキップをします。
最終的に、以下の様なエラーが出て変換できずに終了してしまいました。

エラーが出たときの対処法

原因が完全にわかったわけではないのですが、恐らくは、FPGA で使用している USRP-RIO 固有のライブラリ、DSP 固有のライブラリを使っていることが原因ではないかと推測しています。

このエラーを回避するために、少々大変なのですが、
USRPDSP特有のライブラリを使用していない VI に関して個別に「旧バージョンで保存」をする
②旧バージョンでプロジェクトは作成して①で保存した VIを取り込む
ライブラリを呼んでいる部分は作成した旧バージョンのプロジェクトで作り直す

というステップを踏んで作成したところうまくいきました。
一から移植するよりは工数も削減できると思います。

まとめ

最初からお客様のバージョンで開発をする場合には問題は起きないのですが、元々開発してあったモジュールの LabVIEW バージョンなどが合わない場合にはどうしてもこのようにバージョンの変換が必要になる場合もあります。
ちなみにバージョンをあげるほうで問題になったことは今のところ困った経験はないです。

--- ドルフィンシステムでは、日々実験を繰り返すことで仕事に役に立つネタや経験を積んでいます。USRPやSDR開発ならドルフィンシステムにお声がけ下さい。 

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