USRP-RIO の CH間の位相同期について比較してみました


皆様こんにちは、ドルフィンシステムの笹生です。
早いものでもう 5月も終わってしまいますね。東京は暑い日も多く、だんだんと夏が近づいてきているというより、もう既に夏のような日差しです。とはいえまだ朝晩冷えることもあるので体調には気をつけたいと思います。

さて、今日は USRP-RIO CH間の位相同期について比較してみました。

USRP-RIO CH 間の位相同期は搭載ドーターボードで異なる 

この記事の時点で、NI から発売されている USRP-RIO の種類は 10種類あります。型番の違いは、RF周波数/ GPS有無/ 入出力CH になります。いずれも複数の CH が使えるのですが、実は搭載されているドーターボードの種類で位相同期の性能が異なります。

まずは、結論です。以下の表に纏めてみました。

USRP-RIO 型番
入出力数
GPS有無
RF周波数
ドーターボード種類
周波数同期機能
USRP-2940
2入力2出力
GPS
50M-2200M
WBX
可能だがユーザーで校正必要
USRP-2950
2入力2出力
GPS
50M-2200M
WBX
可能だがユーザーで校正必要
USRP-2942
2入力2出力
GPS
400M-4400M
SBX
可能
USRP-2952
2入力2出力
GPS
400M-44000M
SBX
可能
USRP-2943
2入力2出力
GPS
1200M-6000M
CBX
不可
USRP-2953
2入力2出力
GPS
1200M-6000M
CBX
不可
USRP-2944
2入力2出力
GPS
10M-6000M
UBX
可能
USRP-2954
2入力2出力
GPS
10M-6000M
UBX
可能
USRP-2945
4入力
GPS
10M-6000M
TwinRX
可能
USRP-2955
4入力
GPS
10M-6000M
TwinRX
可能

それぞれドーターボードの Knowledge Base に位相同期について記述がありますのでお時間がありましたら一読してみてください。リンクを張っておきます。

サンプルプログラムで確認してみる


弊社には、USRP-2943 USRP-2954 がありそれぞれサンプルプログラムで位相の同期状況を実際に確認しました。



USRP-2943 CBX というドーターボードを使っていて、これは位相同期不可となっています。実際のところは、実行してしまえば実行中は位相のずれが変化することはありませんでしたが、実行の開始のたびに位相関係は変わるため、CH間で位相をそろえる必要のあるアプリケーションでは実行開始時に校正をする必要があります。

USRP-2954 UBX というドーターボードを使っていて、これは位相同期可能ということです。実際にサンプルでも毎回同じ位相関係を保持することが確認できました。一度位相校正処理を行っておけば、CH間で位相をそろえる必要のあるアプリケーションでも使用できます。

まとめ


今回は USRP-RIO CH間の位相同期性能は搭載ドーターボードで異なるということを紹介しました。CHで位相同期が必要なアプリケーションの場合には、位相同期が可能な USRP を選ぶと間違いないと思います。

このように NI のサイトなどにまとまった情報が無いこともあるのですが、ドルフィンシステムではこのような情報も収集しつつ、お客様のアプリケーション実現に最適な SDR システムのご提案をしております。

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